乳幼児ケア児童・学童支援社会的支援経営者・代表者

すべての子どもがありのまま生きていくために、温かな関係性を築く親子の在り方を見つける

平ひかりさんと日本ペアレントトレーニング子育て支援協会のロゴ 社会的支援

平 ひかり / 日本ペアレントトレーニング子育て支援協会 代表理事

 「子どもは変えなくていい」、そう優しく声をかけてくれるのは平ひかり(たいらひかり)さんです。「あの頃の自分にもこの一言が欲しかった。だからこそ、この言葉を理念として掲げています。」 

 平さんは、日本ペアレントトレーニング子育て支援協会を立ち上げ、発達障害・グレーゾーンなどの子育てをする保護者や支援者と共に、子どもの将来に向けて一緒に考えていきたいと話します。そんな平さん自身が直面した“葛藤”と“変わることの大切さ”を学んだからこそ 伝えたい、「変えるべきは私たち大人の対応であり、環境である。」の本質を聞きました。

私自身の心を受け入れ、子どものありのままを受け入れる

 平さんは双子を育てるひとりの母親でもあります。我が子の健診の際に、発達特性があることを聞かされたときは、大きなショックを受けたといいます。「私の育て方が悪かったん じゃないか、と自分を責めていました。自閉スペクトラム症と診断がついてからも、うまく いかない子育てに悩み、出口のないトンネルを歩いているような気持ちでした。他の子と “違う”、いわゆる世間の“普通とは違う”ことがとても怖かったんです。」

  「ですが、同じ境遇にいるママたちと話す中で、共感してもらい癒される体験をしまし た。そして、徐々に私自身の心を取り戻していきました。また、それと同時に心理学やペア レントトレーニングを学んだことで、“私自身の心を受容”する経験をしました。すると、子 どもへの声かけが変わったり、育児に楽しさが増えたり、家族に笑顔が増えていったんです。このことを通して、“子どもは変えなくていい”、“親である私が変わる必要があった”と いうことに気づけたんです。」

 「この経験を自分だけでなく、育児で悩んでいる方にも伝えていきたいと思い、富山県で ペアレントトレーニングの講師を始めました。また、ペアレントトレーニングを伝えるだけ でなく、保護者どうしのピアサポートができる仕組みもつくりたいと思い、定期的に集まれ るコミュニティ活動も始めました。」

 平さんは、母親である自分の心をまず受容することで、子どものありのままを受け入れて いけることに気づいたのです。だからこそ、子育てに悩んでいる保護者に伝える次の一歩を 踏み出していきます。 

日本ペアレントトレーニング子育て支援協会
子どもに関わる全ての方が知っておきたい「ペアレントトレーニング」発達障害の子を家庭で育てる最幸の子育て法。 頑張るママが「凸凹キッズ個育て」も「ママ自身の夢」も叶えるを私たちは全力でサポートします。

“子どもは変えなくていい”を体現する協会を設立

 「その後、発達障害・グレーゾーンなどの子育てをする保護者や、周囲の大人が適切な対応を知らないことで、子どもを傷つけたり、自信を奪ったり、二次障害を引き 起こしたり、そんな負の連鎖を断ち切りたいと考え、日本ペアレントトレーニング子育て支援協会を立ち上げました。」

 「当協会は、“子どもは変えなくていい”という理念を掲げ、温かな関係を築いていくペアレントトレーニングを習得する講座を開講しています。また、学んだら終わりではなく、その後の定期的なフォローアップを通して、日常の子育てで実践していただきます。もし、同じ境遇の人が隣にいたら勇気を出して声をかけてあげられる、 一人一人が実践することで、子ども達がありのままで生きていける社会を目指しています。」 

 「私たちの講座はスキルのみならず、自分自身の心と向き合うマインド面にも力を入れています。もちろん子育てスキルも大切ですが、それ以上に自分自身の土台が整っていることが重要です。そのためには、まず自分自身に向き合っていく。講座を通して、自分の気持ちの変化を感じ、前向きに子育てを捉えられるようになっていきます。自分の変化が子どもの変化、家族の変化、周囲の変化へとつながっていきます。
 また、協会会員さんと一緒に企画した発達障害啓発週間のイベントでは、多数の応援とご協力を得て、全国各地から約100名もの参加がありました。会員さんどうしの絆も深まりましたし、何よりみんなで取り組むことで社会に私たちの想いを伝 えていける、人の心を動かし行動を促していけるということを体感する良い機会に なったと感じています。」

発達障害啓発週間イベント

誰もが子どもを愛し、自分の生き方、在り方を見つけていく

 「当協会は、ペアレントトレーニングを学ぶことがゴールではありません。私たちが大切 にしているのは、同じ境遇にいる仲間と共に話したり、自分自身と向き合っていくことで、 “一人一人の生き方や在り方を見つける”ことだと考えています。ときに自分自身と向き合う ことは苦しく、葛藤を伴うものです。ですが、ここには多くの仲間がいて決して孤独ではあ りません。みんなが声をかけあい、支え合っています。」  

ペアレントトレーニングの講座風景

 「私自身も活動を始めて間もないのに、なぜこんなにも勇気づけられるのかと日々感じて います。それは、私を含めここにいる仲間が子育てに悩んでいた当事者であり、ペアレントトレーニングの講座や仲間と出会ったことで、子育ても、日常も変わった当事者だからだと 感じています。」

 「当協会の活動を通して、最終的には社会全体で子ども達を見守るサポーターを増やしていきたいと考えています。子ども達が育つ中で、その子の特性を受け入れてくれる大人や社会の基盤をつくり、生きづらさを抱えていたとしても、その子をありのままを受け入れ、安心して暮らせる日本社会を実現します。そのためにも今年度の目標として、ペアレント トレーニングを実践できるサポーターの育成、協会に親しみを持ってもらえるマスコット キャラクターの制作をしていきます。こんな私たちの活動を応援していただけると嬉しいで す。」

読者へのメッセージ

 「もし、子育てに悩まれている方がいたら、“独りで抱えなくても大丈夫”と声をかけられ たらと思います。過去の私がそうであったように、誰かに頼ることが悪いことだと思わなく ていいんです。どんどん周囲を巻き込んでいきましょう。育児をみんなで一緒に育てていきましょう!また、今すぐ変われなくてもまずは、同じ境遇の方に話を聞いてもらい、癒され、 少しずつ前に進む勇気を持つことができたら素敵ですよね。そんな文化と環境が、当協会にはあります。自慢の温かい仲間がいます。「微力」でも個々の力が集まれば、社会に一石を投じられるような「美力」に変わると信じ活動しています。なんだか面白いことをしているなと感じた方は、ぜひ私たちの船にジョインしてくださいね。」

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