仙台講演会特集児童・学童支援地域密着社会的支援経営者・代表者

誰もが自分のライフデザイナーになって、生きやすい社会を築く

児童・学童支援

荒井綾子 , 菅谷拓斗 / NPO法人UBUNTU 理事長 , 副理事長

 「どうしたら、この生きづらい社会を“生きやすい社会”に変えられるか、これからも考えていく必要があると思います。」と話すのは荒井綾子(あらいあやこ)さんです。荒井さんは、菅谷さんと共にNPO法人UBUNTU(ウブントゥ)設立から6年目となり、子どもたちの可能性がどんどん広がっていくことに嬉しさもあると言います。ですが、高校卒業に向けての課題も感じていると言います。マルシェ活動や新しく始めた在宅でのサービスとこれからのUBUNTUについて聞いてみました。

放課後の時間だけでなく、ご自宅での生活に目を向ける

 NPO法人UBUNTUは、「誰もが自分のライフデザイナーになれる街を目指します」を理念に掲げており、“ぶれ・すと”(放課後等デイサービス)の活動を行っています。

 ぶれ・すとは、「どんな状況や環境にいる子ども達でも自由さを手に入れ、見たもの、感じたものをあるがままに経験していく場所です。まさにキャンパスを片手に持って冒険する感じです。ぶれ・すとに来る子たちは、世の中にあるものに出会いづらいこともあります。一緒に世の中にあるものに出会いに行って、感じるんです。子どもだけでなく、きょうだい、親御さんやスタッフ自身も同じように、自分の人生は自分で決めて歩むことができる。そのために必要なことを取り組んでいます。」

 UBUNTUは設立当初から在宅での支援について考えていたと言います。「UBUNTUを設立する時から在宅での支援の形を模索していました。もちろん放課後の時間も大切ですが、その子どもが多くの時間を過ごすご自宅での生活支援はある意味で生きるために必要なことが沢山詰まっている場所でもあります。」

 「2024年4月から居宅介護サービスを始めました。特に入浴などはご家族の方の負担が大きく、ゆっくりとお風呂に入れてあげることができないこともあります。そのため、ご自宅での入浴や食事の支援を行い、ご家族がゆっくり休める時間もつくれています。また、子どもの様子を見ていても、放課後の時間で見せない表情や表現もあり、より人間らしい部分も知ることができています。」

 「居宅介護を始めたことで、ご家族からは“一息つける時間”が取れて嬉しい。というお声をいただきます。もちろん子どもの存在はとても大切ですが、ご家族にとっても自分自身の人生があるので、ご家族の方の自由な時間をできる限り増やしていくことも大切なことだと思って」

 新しく始めた在宅でのサービスに手応えを感じつつも、やはり気がかりなこととしては、高校を卒業した後のことだと荒井さんは話します。 

子どもの可能性を広げ、人生の選択肢を増やす

 「中学生や高校生の子どもたちにとっては、これから“働く”や“住む”ということを決めていくライフステージになってきます。また、ご自宅での生活のなかで一つでも自分でできることを増やしていくことも必要になります。そう考えたときに、“子どもたちの可能性”を広げていくことで、人生の選択肢を増やしていく、高校卒業後にどう生きていくか自ら選択できることを後押ししていくことが大切になります。」

 「UBUNTUが2023年から始めた≪あべこべマルシェ」を始めたのもその一つの考えがあるからです。マルシェ当日には販売が上手にできたり、お勘定やお客さんへの対応も自ら率先して行動できていました。子ども達は大人が思う以上に理解していてました。まさに主体性が育まれ、その子たちの可能性を広げる一つの取り組みになっています。また、地域の方々に子どもたちの存在を知ってもらうことができるなど、子どもたちが地域生活や就労の場に触れる良い機会になっています。今年も11月に開催予定で、“あべこべマルシェ”をぜひお楽しみにお待ちください。」

あるがままに生きる。誰もが“ライフデザイナー”になれることを目指して。

 「UBUNTUの活動を始めて6年になりますが、改めてUBUNTUの良さを考えたときに、“形に囚われない”ことが切だと感じています。子どもたち一人一人に歩み寄り、“見えない壁”をどう取っ払っていくか、どう子どもたちと向き合い続けるか、そのためには、ある一定の形に当てはめることはしないです。その人らしく生きていくことに向き合うのであれば、あるがままに接していくことが大切になると思います。」

 「UBUNTUとの理念でもある“誰もが自分のライフデザイナーになれる”というのは、ある意味で一人一人が心地良くあるがままに生きられることを目指していく、ということでもあります。自分自身も含めどうしたら生きやすい社会を築いていけるか、これからも考えて活動に活かしていきたいと思います。」

読者へのメッセージ

 「もしかしたらUBUNTUは“めずらしい取り組み”をしているんじゃないかと思われるかもしれませんが、そんなことはないんです。その子どもたちが、“あるがまま”に生きていく、ということを考えたときに、その人にとって必要なことを活動として取り入れています。珍しいと思うのは、おそらく障害ある子との関わりというものとかけ離れているからかもしれません。ただ、子どもたちの可能性を広げているだけであり、人生の選択肢が増えることを目指しています。ぜひ講演会でもUBUNTUの活動を紹介しますので、聞いてもらえると幸いです。」

NPO法人UBUNTU

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