【メディア】NEXT HERO ISHINOMAKI-石巻のヒーロー達- 掲載

2020年3月24日 NEXT HERO ISHINOMAKI-石巻のヒーロー達- 掲載

http://nexthero.jp/heroes/602/

医師の指示がなくても、僕たちが提供できるものを考える

横) ひまわり訪問看護ステーションで、訪問リハビリの仕事をしています。加えて、今回設立した一般社団法人Hito Reha(ヒトリハ)の代表理事をしています。

ー訪問リハビリというのは、主にどのようなことをされるのでしょうか。

横) 介護保険を利用している方のご自宅に伺って、リハビリをするというものです。ただ、介護保険を利用している方だけではなく、医療保険や自費でされている方も中にはいらっしゃいます。ひまわり訪問看護ステーションの場合は、高齢者に限らず、難病の方や子供のリハビリも行なっています。僕も小さい子供のリハビリをしますが、運動はもちろん、遊びや学習のサポートもします。利用されている方、一人一人に合わせた内容なので、リハビリという言葉だけでは表せないところもあるかと想います。

ーこれまでの活動と、新たに立ち上げられた活動は繋がってきますか?

横) はい。僕はこれまで、病院と介護領域で働いてきました。そして、保険が適用される範囲でリハビリを提供しておりました。そんな中で、保険が適用されない方でも、リハビリを必要とする方がいるという発見がありました。それと同時に、その人たちのことを考えて、事業をしていく必要があるなという必要性と課題を感じました。なので、僕たちが今後提供していきたいのは、保険外のサービスになります。理学療法士という資格は持っていますが、その資格は使わずに展開をしていきます。

ー保険外のサービスというのは、これまでのリハビリの形に近いものですか?

横) 障がいを抱える方であったり、そのご家族を対象にサービスを提供するような事業を考えています。そのひとつとしては、コミュニティー形成ですね。その人たちの繋がりを作っていくこと。ケアのサービスではなく、社会参加サービスという位置付けです。ケアとなると、僕たちの専門職種では、医師からの指示が必要なんですね。医師の指示がなくても、僕たちが提供できるものを考えました。

障がいを抱える人のチャレンジを支援するコミュニティ形成

ーこれまでと違う点は、ケアを提供するのではなく、社会参加の機会を提供するというところなんですね。この社会参加サービスについて、もう少し具体的に教えていただけますか。

横) 僕たちのサービスはステップ形式で作っています。まず初めに、コミュニティを作るという全体最適です。その人たちが、本音で話し合えるイベントだとか、空間を提供すること。それを持続可能にするために、オンラインでもコミュニティを作ります。オンラインに関しては会員制になります。また、利用者の中には、個別で問題を抱えている方も多くいらっしゃいます。その人のありたい姿だとか、希望が聞けるといいなと。時間をかけて話していくうちに、その人たちのやりたいことや想いを形にしていくというのが、サービスの最終ステップになります。

ーリハビリは、身体的なケアのイメージがありましたが、Hito Rehaのサービスは精神面や社会参加のケアも重視されているのですね。

横) 活動を始めるにあたって、大事にしている概念が二つあります。まずは、健康の概念。WHO(世界保険機関)は「身体的にも精神的にも、社会的にも健康である」と掲げているんですね。僕たちは身体や精神が健康であっても、社会的な健康、つまり、社会的な繋がりや役割がないと、健康でいられないんです。逆に、障がいを抱えた方も、その3つが揃っていれば健康なんですね。もう一つは、リハビリテーションの概念。「全ての人が、人としての権利を回復していく」全人的復権という概念です。これらの概念を通して、障がいを抱えた方やご家族が、一人の人としての復権を目指していくということが、僕たちのテーマです。

ー健康とリハビリの概念の二つが活動指針なのですね。全人的復権とは具体的にどのような状態を指すのでしょうか?

横) 適切かどうかはわからないのですが、近い言葉でいうと、自己肯定感ですかね。「やればできるじゃん」という感覚が一番大事だと思っています。僕たちのキャッチフレーズは、「障がいを抱える人のチャレンジが、人と地域を繋ぐ」なのですが、障がいを抱えた方ができないことにチャレンジしていくというのは最初は少しハードルが高いと思っています。でも、ハードルをひとつ飛び越えると、やればできるという感覚になる。そして、どんどんトライしていくことができる。チャレンジからトライに変わっていくプロセスを僕たちが支援していきたい。僕たちの社会参加サービスがなくなったとしても、障がいを抱える人が地域で生きていけるだとか、地域の繋がりができて暮らしやすくなるだとか、街に優しさが生まれていくような、そんな社会を創っていきたいです。

地域に密着しながら、人と人の繋がりを大切にしていく

ー改めて、リハビリの分野でチャレンジしようと思った理由をお聞きしてもいいですか。

横) 僕が石巻に来たのは社会人一年目の時でした。石巻に来てから、様々な景色を見て、沢山の人と繋がってお話を聞いて来た中で、違和感を覚えたことがあったんですね。僕は、カフェや温泉にいくことが好きなのですけれど、そういう場所に障がいを抱えた方がいないんです。違和感があって仕方がないんですよ、「もっといるはずなのにな」って。そんな中で、ユニバーサルビーチという、障がいのある人も海に入ろうぜというイベントを、夏に開催した時にとても可能性を感じたんです。身体的にハンデがある人が海に入っていく。衝撃的でした。やればできるという感覚は、まず、僕に芽生えたんです。5年間、リハビリの活動をしてきた中で、感じていた違和感と経験が繋がりました。それが、今の分野でチャレンジしようと思った瞬間でした。

ー最後に、Hito Rehaとして今後の意気込みを。

横) 僕らの法人の名前ですが、リハは先程お話した通りですが、ヒトに関しては、東松島市、石巻市、登米市、女川町の頭文字を取ってつけたんです。僕たちは地域に密着して事業をしたいと思っています。地域に密着しながらも、人に優しくなれたりだとか、人と人との繋がりを大切にしていくような法人でありたいと考えています。まずはリハビリテーションの概念を持って、障がいを抱えている方が復権していくというのを創っていきたいと思っています。それを通して、日本の社会課題を何か一つでも解決できるような政策や仕組みは、僕たち法人の役割なのかなと思っています。

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