髙橋 美弥子 / hair salon Trinity オーナー 兼 スタイリスト
美容業で独立して15年となり、「このお仕事をしていて自分が髪を切ったり、カラーしたお客様が喜んでいる姿を見るのが、とても嬉しい。」そう話すのは、髙橋美弥子(たかはしみやこ)さんです。
髙橋さんは「3人の子どもを授かり、平坦な道ではなかったあの頃を支えてくれた色んな人たちに恩返しをしたい。そう思って、“障害の程度にかかわらず、美容業を目指す生徒の学習の場、就労の場をつくろう”と思っています。これが今できる私の最後で最大の挑戦だと思っています。」と、その目指す未来の姿とはどんなことなのか聞いてみました。
子育てと美容業の両立のためにお店を構えた
美容のお仕事をしながらも3人の子どもを授かることができましたが、髙橋さんは「末の子が生後10か月の時に脳性麻痺とウエスト症候群と診断され、1種1級の障害となりました。子育てしていく中で、“目を離せない”こともあるため、お勤めするよりも自由度のある自営に踏み切りました。私たちの美容室Trinity(トリニティ)では、障害のある子どもが居ることが当たり前で、お客様も子どもに挨拶してくれたり、受付を忘れて声をかけてくれます。」
「色んな人からの支えもあり、娘も今年で高校3年生です。本当によく頑張って成長してくれて、これからもできることや社会に貢献できることを増やしてほしいと思い、就労の可能性を模索していました。そんな中で“支援学校仙台みらい高等学園”さんと出会いました。」
高橋さんは支援学校仙台みらい高等学園と出会うことで、今まで支えてくれた人たちへの“恩返し”の形を見つけていきます。
“障害の程度”にかかわらず、
“やってみたい”を実現する生徒の気持ちを大事にしたい
「支援学校仙台みらい高等学園さんは、高等部3年課程に加えて、専門教育2年課程が併設されています。専門教育の1つでもある“芸美コース”では、美容師やネイリスト、着物の着付けを学ぶこともできます。私も学園を見学させてもらい、障害の程度に限らず、生徒が目指したい職業に向けて直向きに頑張っている姿はとても感動しました。」
「残念ながら娘は仙台みらい高等学園さんに進学できませんが、このご縁から“障害の程度にかかわらず、美容業を目指す生徒の学習の場、就労の場をつくろう”と思ったんです。ケアや配慮が必要な生徒が勤める職場も限られていると聞き、目指したい職業に就くことができる場所が必要だと思いました。娘を育ててきたからこそ、これまで色んな人と出会って、お店でもお客様に支えてもらい、これまでの恩返しをしたいと思いました。」
美容にかかわる人の“希望”に応え続ける新しい店舗づくり
「美容業で独立して15年になり、独立当時からお客様だった方もご年配になって、2階に上るのが大変だというお声もあります。また、娘のように車椅子の方もお客様でいますので、入店するのに不自由な思いをさせていることもありました。それでも、髪のこととなればお客様のご希望に出来る限りお応えしています。私にも“こだわり”があるように、お客様一人一人にも“こうなりたい”という気持ちがあります。昔は、私自身も未熟で分からないこともありましたが、何度も何度もお客様の話を聞いていくうちに分かるようになりました。」
「これからも美容室Trinityに足を運んでもらうためにも、お店を1階の駐車場のある店舗に移したいと思っています。“あなたじゃなきゃダメなの”という期待に応え続けていきたいですし、誰もが通える美容室の環境を整えたいと思っています。そして、支援学校仙台みらい高等学園さんの生徒の実習先や就職先として活用してもらえるようにと思って、現在クラウドファンディングに挑戦しています。ご支援、応援をお願いします。」
読者へのメッセージ
「正直、障害のある子どもを授かるまでは、将来は美容室も複数の店舗を持って、のようにきらきらしていたものを描いていました。ですが、子育てをしていく中で思い通りに行かない日々の方が多かったです。それでも美容室Trinityに来るお客様など、多くの方が支えてくれたと感謝しています。だからこそ、その恩返しのためにも新しい店舗で環境を整えていきます。ぜひ応援をお願いします。」
温かい応援メッセージお待ちしております