今野志麻 / 事業所マネージャー 兼 支援員 阿部利美 / 支援員 manaby石巻駅前事業所
突然ですが、あなたは“自分らしく”生きることができていますか。
この問いかけに“うまく”答えられなくても「大丈夫」だと言ってくれる人が今野志麻（こんのしま）さんと阿部利美（あべとしみ）さんです。お二人は就労移行支援manaby石巻駅前事業所の支援員とマネージャーとして、自分らしさを学び、自分らしく働くための支援をしています。そんなお二人が働くmanabyの“自分らしさ”を学ぶ就労移行支援について聞いてみました。
私たちも“やってみたい”から始まったmanabyのお仕事
就労移行支援とは、障害のある方が働くために必要なスキルを身につける訓練や就職活動のサポートを受けられる障害福祉サービスです。一口に就労移行支援事業所と言っても様々な形があり、manaby石巻駅前事業所では就職活動の一環として“その人らしさ”の発揮につながる自己理解を促すプログラムが豊富です。
今野さんは、「前職ではアパレルで接客業を行っていましたが、喜んでもらえる接客について深く考えた結果、福祉の世界に飛び込もうと思いました。2017年当時はまだ珍しかった“在宅支援”にも挑戦していたmanabyに転職しました。私自身もそうですが、生きづらさを抱える人たちの支援や関係を通じて、“その人らしさ”、“ありのまま”を受け入れていくことを目指していこうと思っていました。」
阿部さんは、「東日本大震災の影響もあり、避難所での炊き出しを通じて“誰かの支えになる”ことの重要性を痛感していました。その後の自分自身が就職するにあたって職業訓練などを受ける中で、“就活をサポート”するお仕事がとても素敵だと感じました。manabyでは障害のある方の就活をサポートできることもあり、これまでの経験を活かせると思いました。私自身、震災や就活で支えてもらったように、今度は私が伴走できればと思っています。」
では、二人が想いを実現できるmanaby石巻駅前事業所は一体どんな所なのでしょうか。
クルーの悩みを受け止め、自分らしさを見つける伴走をする
「就労移行支援という障害福祉サービスの枠組みではありますが、難病の方もご利用いただくことができます。そのほか、メンタルサポートが必要な方に対しても総合的に支援をしていきます。もちろん、すべての人が就職できるとは限りませんが、大事なことは“その人らしさ”が発揮できているか、その人が仕事をする上で大切にしたい“価値観”や“喜び”に出会えているかを重要視しています。」
「クルー（利用者様の愛称で“よりよい未来を一緒につくっていく仲間”としてmanabyでは表現している)さんは様々なことで悩んで支援を受けに来られています。人間関係、上司とのコミュニケーション、失敗した後のメンタル維持など、上げればきりがありません。しかし、障害があっても、なくても私たちにも多かれ少なかれ同じような事が起きています。失敗すれば落ち込みもします。だからこそ、その人のありのままを受け入れてもらえる“安心感”が大切だと思いますし、否定をせず、“やってみたい気持ち”に伴走する形で背中を押していきます。」
「就職活動を支援して、採用されたクルーさんと喜びを共にできることを嬉しく思います。もちろん一筋縄ではいかず、目指していた職種から転換することもあります。しかし、それは職種の変更ではなく、自分らしく仕事をするための一つの選択肢であるとお伝えしています。無理をして体調を崩すことと、頑張って仕事をすることは違うのと同様に、“その人らしく働く”とはその人が仕事や活動をしていて、喜びに溢れる毎日を送れることだと思います。私たちはそのための選択肢や可能性を広げて、マッチングできるようにサポートをしています。」
「ですが、就職がゴールではなく、働き続けることが大切であるとも考えています。就労移行支援では、就職後の6か月間は継続的な支援ができるので、支援員が伴走もでき、職場でのデリケートな問題から、これって上司に聞いていいのかな、という小さなことも相談にのります。傍から見れば他愛もない会話かもしれませんが、クルーさんの不安な気持ちを少しでも和らぐように支援をしています。」
障害者が働く日常に違和感がない社会を目指す
「manaby石巻駅前事業所が開所した当初は、障害者も働けるの？みたいな反応があったり、manabyって何をやっているところ？と、言われることもありました。ですが、最近では周囲からの反応も変わり始めてきました。採用してくださる企業の皆さんからも、ぜひ雇用したいという声も多数頂くようになりました。開所から7年、在宅就労への考え方についてなど、取り巻く環境に少しずつ変化が起きていると感じています。」
「その人らしく働くこと、生きることは、その人の権利であって、その人が選択することができます。もし、障害についてよく知らないことで不安や偏見があるのであれば、まずは障害のある人がどんな生活をしているのか、どんなことで困っているのか、などについて知ることができるといいなと思っています。一人ひとりが自分らしく働ける社会を目指して、私たちもmanabyでの活動を楽しみながら続けていきます。」
読者へのメッセージ
「もし、障害のある人が自分らしく働くことに興味を持っていたり、やってみたいと感じていたら、家族や友人の方はぜひ応援してほしいと思っています。就職や就労移行支援に勇気を持って一歩踏み出そうとしてくれる人にとって、manabyはその勇気をしっかりと受け止める場所でありたいと思っています。自分の可能性を信じて、新しい挑戦に向けて一緒に踏み出してみませんか。」
温かい応援メッセージお待ちしております