地域密着社会的支援

私たちは地球と共に生きている。身近にある環境に目を向けてみよう。

地域密着

宮本絵里子 / ゴミ処理施設勤務 啓発担当

「ミツバチのように自分を必要としているところに飛んでいって、自分にしかない花を咲かせる、それが今の私にできることだと思っています。」と話すのは宮本絵里子(みやもと えりこ)さんです。

 宮本さんは、兵庫県のゴミ処理施設で勤務をしながら、兵庫県の2市2町の住民さんに向けて、環境に関するワークショップや講演の企画・運営を通じて啓発活動を行っています。「私たちは地球を借りて生活や暮らしができています。だから一人一人が小さくともやれることがあると思っています。そのためには、まず知ってもらうきっかけをつくることが大切だと思っています。」と、活動について話してくれます。

私のお仕事は“講座の前説芸人”

 現在、啓発活動の企画・運営のお仕事をする宮本さんは、兵庫県の2市2町が関係する市町村とその活動を実践するNPO法人との間を取り持つ重要な役割を持っています。宮本さんは委託側の市町村と受託側のNPO法人の両者を深く知っており、かつ相互の関係性やスタイルについて熟知していると話します。「市町村側は何をしたいと思っているのか、そしてNPO法人が活動を行うための事業基盤に何が必要かも理解しています。その両者の言い分と私ができる最良のお仕事だと思っています。」

 「実際の啓発活動のお仕事は、2市2町のすべての住民さんに向けて、環境に関する講座を行います。環境に関する講演会だけでなく、映画上映や3Rを活かしたモノづくりにも取り組みます。年間を通じて30回以上の講座を開き、私はすべての司会進行役として、参加者の皆さんには、前説を行いながら講座で習うキーワードや環境への意識を持ってもらいつつ、講師の方にバトンタッチする前に、心の温度を1℃上げる、そんなことを意識して前説から講座に移行することをお仕事にしています。」

 「この講座の魅力として、住民さんが無料で受講できるだけでなく、30回以上の講座すべてが違うテーマだということです。もちろんリピートしてくれる住民さんも数多くいらっしゃって、SDGsとか聞いたこともない参加者の方から、この前のニュースでSDGsについて見たよ、とか環境についてのこんな記事を見たんだけど、と声をかけてくれることが増えました。普段だったら、おそらくそんな会話しないよな、っていう人が環境について話をできるようになるんです。」

最大のテーマは一人一人が“自分事ごと”にすること

 「最大のテーマは、この講座に来てくれた一人一人が環境について“自分ごと”にすることだと思っています。どれぐらい環境に良いことを聞いても、その知識に行動を伴わないと地域や街は変わっていかないと感じています。例えば、マイホームを持つと皆さん大切にメンテナンスをして長く住み続けようと思いますよね。だけど、地球をメンテナンスしようと意識する人はどれぐらいいるんだろうと思います。もし、地球を“借り物”と考えて、住まわせてもらっているという意識があれば、“私がやらなくても誰かがやってくれるよね”、みたいなことにはならないと思います。そのためには、普段から“アンテナ”をあげていない人に対してきっかけを与えていく必要があります。それが現在取り組んでいる環境に関する講座だと思っていますし、この講座をきっかけにアンテナを上げよう、自分ごとにしてみようと思ってくれる人が増えていることを実感しています。」

 「先程の自分ごとということを考えたときに、ゴミ処理施設をより身近に感じてほしいと思っています。暇だから公園に行こう、みたいに用はないけど気軽に行ける身近さがゴミ処理施設にも必要だと感じています。もちろんゴミ処理施設に行こう、だけでなく、宮本に会いに行こう、みたいなのもありだと思っていて、前説のお姉さんに会いに来ました、と言われた日にはとても嬉しいですよね。そういう身近な存在や場所こそ、住みやすさや誇りを持てる施設の要素にもなると思っています。」

読者へのメッセージ

 「“知らない”ということは恥ずべきことではないです。私もゴミ処理施設という環境に入って勉強したことが沢山ありました。その中で、知らない世界を知るっていうことがすごく大事だなと思っています。だからこそ、講座に来てくれた人や環境に興味を持ってくれた人の背中を押してあげたいなと思います。環境とかSDGsとか、いろんな言葉がありますが、難しく捉えず、まず知ってみたり、やってみることが大事だと思っています。子ども達のためにもっといい地球を残したいとか、身近な人の生活が少しでも良くなるみたいな意識を持ってもらえたら嬉しいです。そういう簡単なことから世の中は少しずつ変わっていく気がしています。でも、やらなければ変わらないので、少しずつ目の前のことに取り組んでもらえたらと思います。」

参考
https://www.city.takasago.lg.jp/soshikikarasagasu/ecocleanpia/eco/eco3/20220614/7711.html

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