Pieceプロジェクト / 一般社団法人Hito Reha
誰もが生きていくうえで少なからず生きづらさを抱えていることがあります。その生きづらさは、声に出して伝えることができる人と出来ない人がいて、やがて“誰にも伝わらない”声と変わってしまいます。
“Piece(ピース)”は、誰にでもある“欠けている”を“お互いに補い合う”ということをコンセプトに生まれたものです。子育てにせよ、働くことにせよ、生きづらさをお互いに補い合うことの大切さが寛容な社会になるキーワードかもしれません。
誰もが声に出せない辛さを抱えている
子育て、とりわけ障がい児(者)を育児する親にとって悩みごとは絶えない。「同年齢の子どもは言葉が出るのに私の子は言葉がでない。走り回れたり、滑り台を登ったり降りたりできるのに私の子はできない。と周囲の子どもと比較してうまくいかない場面もあれば、家庭のなかで壁紙に落書きしたり、家の中を水浸しにしたり、理解できない行動が多く子育てに困り果てることも少なくないです。」
「そんな中で、親同士で子育てについて世間話をしていても、理解もされなければ共感もされないことが多く、いつしか“話しづらさ”だけが心に残っていました。それが積み重なり、“声に出すことができない”となりやすいです。一概にすべての人がそうなるわけではないのですが、声に出すことができなくなり、子育てが辛くなったり、私だけ悩んでいるということが増え、いつしか子育てを楽しむことができなくなっていることがあります。」
話を聞いてほしいけど、私のことで迷惑をかけたくない、という躊躇することもあれば、話してみたもののうまく伝わらないもどかしさがあります。“伝える人”と“受け取る人”の両者につながるきっかけを与えていくのがPieceの役割になります。
“声なき声”を伝え、お互いを“補い合う”きっかけをつくる
「Pieceは、その人たちの“声なき声”を伝えるメディアです。障がい児(者)の親にとって伝えたいこと、悩みや辛さだけでなく、夢や希望、そして子どもが成長することの喜びなど一言では表現できないことを伝えています。普段は話せないけど、内に秘めた想いを語ってもらい、読者に伝わりやすい言葉や表現に変換して伝えています。」
「そして、Pieceの取材、記事の執筆を手掛けているのが障がい児(者)の母親でもあります。障がい児(者)の母親は子育てをしていく中で、保育園などに預けることができなかったり、職場に出勤するも呼び出しがあって、早退をしなければいけないことが多い立場にいることが少なくありません。そこで、在宅ワーク中心に自らのペースで働ける環境を提供し、自分なりの“育児をする”と“働く”を見つけてもらうチャレンジをしてもらっています。」
「執筆される記事の言葉は、もちろんプロのライターではないので拙い言葉もあります。ですが、その立場にしかわからないこと、共感できないこともあります。その立場にいるからこそ、“声なき声”を伝えていくことができていると思います。」
その人たちの声に気づき、寛容な社会をつくるきっかけを
「Pieceでは、障がい児(者)の親やきょうだいのみならず、それを支えている支援者の方にもスポットを当てて、ウェブメディアで紹介しています。主に福祉や子育てにかかわる支援者で、単なる対人支援のみならず、仕組みや場づくりの方々の取り組みも紹介しています。その人が、“なぜそれをやるのか”、その活動を“何のために”やるのか、など具体的に紹介しています。それによって読者から反響があったり、その職場で働きたいと言うお声も聞かれています。」
「Pieceプロジェクトがはじまり約3年経過しますが、これまでに15名の障がい児(者)の母親の“働く”のチャレンジを支えてきました。働くことによって、社会とのつながりを得たり、自らの記事が読まれることの喜びに触れることができます。働く母親の姿をみた子どもからも、“働いているお母さんの方がいい顔している”と素敵な声をもらっています。」
「Pieceプロジェクトは、何らかの事情で働くことを諦めてしまった人でも、もう一度働くことに再挑戦できる機会を提供しています。誰もが“働く”という選択肢が閉ざされないように、これからもメディア活動を続けていきます。」
読者へのメッセージ
「私たちは、Pieceプロジェクトを通じて様々な人たちの“声なき声”を伝えるメディアです。このプロジェクトにかかわりお仕事をする人、このメディアを利用して声を届ける人、その声を聞く読者の人、すべての人に寛容さのきっかけが広がればとても嬉しいです。」
温かい応援メッセージお待ちしております