仙台講演会特集社会的支援

特別な支援が必要な子どもが“子どもらしく”生きるために必要なこと~子育てする母親の育児と仕事の両立に向けて~

社会的支援

主催:一般社団法人Hito Reha

 こちらは、2024年9月29日に開催されました「特別な支援が必要な子どもが“子どもらしく”生きるために必要なこと~子育てする母親の育児と仕事の両立に向けて~」の講演会のイベントレポートです。

 登壇者は仙台エリアで障がい児やケアが必要な子どもを支援している法人、研究者です。登壇者の活動や取り組み、知見を紹介しつつ、障がい児(者)の母親が働くことのきっかけを得られるよう参加者に情報提供しましたのでレポートとして掲載します。

各登壇者からの活動紹介

 当日は第1部として各登壇者より日頃取り組んでいる活動の紹介、その背景について15分程度お話がありました。当日の活動紹介の内容は「登壇者紹介」として一部ご紹介していますのでご覧ください。

パネルディスカッション
どのような障害やケアがあっても子どもらしく生きるために必要なこと

 第2部として2つパネルディスカッションテーマを定めています。1つ目は「どのような障害やケアがあっても子どもらしく生きるために必要なこと」になります。登壇者とのディスカッションを通じて、「無関心者・全く知らない人とどう関わるか」「障がいのある子どもの状態(できることも含め)を適切に発信できているか」の2つキーワードが抽出されています。

 1つの目のキーワードとして「無関心者・全く知らない人とどう関わるか」については、大前提として子ども達の「好き」や「得意」、または「成長に向けて」が選択の一つとなります。その選択の一つとして子ども達との外出機会、地域でのワークショップ体験を通じて、全くその子ども達と接点のない人とどう関わってもらうか、すべてを支援者でやるのではなく、接点のない子どもや大人がどう関わってもらえるかのタッチポイントを増やしていくことの重要性についてお話がありました。

 2つ目のキーワードとして「障がいのある子どもの状態(できることも含め)を適切に発信できているか」については、アウトドア型のカフェを通じて、働く母親への関心や医療的ケア児のことを知る機会となり、適切に伝えることで、聞いた人からお話が広がるということもありました。Hito Rehaが取り組むPieceも同様に、知らない人に知ったもらうための媒体として、認知・理解を深め、知ってもらった人が行動できれば誰もが生きやすい社会に近づいていくというお話がありました。

 横山が参考にお話した「NPO法人み・らいず2」の「ガイドヘルパー」の制度は、10年前から取り組まれていることで、支援している企業のみならず、多くの学生がこの取り組みを通じて障がい者との関り、地域とのかかわりを構築しているものになります。

パネルディスカッション
子育てする母親の育児と仕事の両立に向けて

  2つ目のテーマである「子育てする母親の育児と仕事の両立に向けて」になります。登壇者とのディスカッションを通じて、「子どもを安心安全に預けることができるか」「母親が働くために必要な同僚の理解」という2つのキーワードが出ています。

 1つの目のキーワードとして「子どもを安心安全に預けることができるか」については、保育園や学校だけでなく、日頃から支援をしてくれている療育施設や放課後等デイサービス、生活介護などの支援の場との「信頼関係」が大事だとお話がありました。家庭において、子どもの成長や安心安全に過ごせていることが保護者にとっても精神的に安定できる一つの要素となっている。そのことで、日頃から支援している施設における関係性を密にしておくことで、子ども送迎時やちょっとした家庭の悩みも相談できるポイントの一つになり得ます。

 2つ目のキーワードとして「母親が働くために必要な同僚の理解」については、いくら企業の経営層の人たちが障がい児の母親でも働き続けてほしい。と思っていても、現場で働く同僚の方々にとっては、途中で勤務を終えて抜けることで仕事の分配があり、その仕事をカバーしなければいけません。追加の仕事をすることによって評価される組織であれば問題はないかもしれませんが、評価はされない、仕事は増えるでは、同僚にとっても大きな負担になるでしょう。そのため、組織にとっても、一緒に働く同僚にとっても、どのように働く母親の現状を捉えて理解し、仕組みとしてどうしていくか、このポイントが育児と仕事を両立していく上では大切なポイントだと言えそうです。

 会場から「働きたいと思っている母親の皆さんは何時から何時までのような働きたいと思っている時間はありますか?」という質問がありました。ご質問への回答としては、現在利用されている福祉サービスに合わせたもので勤務時間と仕事内容を決めるか、在宅勤務のようなフレキシブルに対応できる仕事内容と勤務体系を提供し、働きやすさを重視した体制を整えるのも一つであることを回答しています。

シンポジウムから見えたこと

 今回、一般社団法人Hito Rehaにとっても新しい取り組みとして講演会やシンポジウムの要素をもとに障がい児者の保護者や支援者、興味関心者に「障がい児者の母親の雇用」を考える機会をお届けできたと思っています。これからも企業や活動されている組織のみならず、これが社会全体でどう解決していくか、ということを議論し続けていきたいと思います。今後も機会がありましたら、このようなシンポジウムの開催を企画していきます。

PRTIMES

障がい児(者)の母親の“働く”に支援の一手を。仙台で支援の手を広げる登壇者が集結し講演会を開催。
一般社団法人Hito Rehaのプレスリリース(2024年9月3日 10時00分)障がい児(者)の母親の“働く”に支援の一手を。仙台で支援の手を広げる登壇者が集結し講演会を開催。

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